ジャガーXE オーナーブログ

ジャガーXEとの出会いと変遷

まずは簡単に自己紹介とジャガーXEに出会った経緯を書いていきたいと思います。

ジャガーXE ローリングショット

私は、元々車に全く関心がなく、山手線沿線に住んでいたこともあり、駐車場代だけで、月々の移動を全てタクシーに置き換えてもタクシーの方が安いという感じだったこともあり、都内で車を持つというのは、本当のお金持ちではないと達成できない最高の贅沢品であり、自分には無関係のものだと思っておりました。

社会人数年が経過し、子供が生まれることをきっかけに、郊外に移り住み、移動も車があったほうが楽だということになり、マツダのアテンザ2009年モデルを7年落ちで激安に購入しました。イメージとしては、とにかくコストは抑えて、動けばいいという感じですw

ジャガーXE オーナー歴5年/5万kmの徹底レビュー

ところが、実際に運転を始めると、とっても楽しいじゃないですか!これが車との出会いでした。そして、アテンザは今考えても、値段対比でいい車だったと思います。

ただ、一つだけ不満なことがありました。それは、交差点などで走り始めても、遅いことでした。イメージした通りに車を加速させようとしてもどうしても追いつかないw

そこで、ある程度車の運転にもなれたし、新しい車を購入しようと思い、色々車を探すことにしました。私が考えた要件は下記のとおりです。

  1. ”羊を被った狼”のイメージの車
  2. 人と被らないユニークな車
  3. 派手すぎないけどラグジュアリースポーツな雰囲気
  4. 家族4人全員が乗れる車

そんな折に、仕事で訪れたあるビルに、たまたまジャガーのディーラーさんが入っており、そこで、”ジャガーXE”に初めて対面しました。世の中にはカッコいい車もあるもんだな~と眺めていたのが最初の印象でしたが、いかんせん値段が…。マツダのアテンザとの落差を考えると、やりすぎだろという警告が心の中にw

その後、家に戻り、スペック、ジャガーというブランド、色々調べているうちに、やっぱり面白そうな選択肢だなと感じるようになり、少しずつジャガーXEを意識するようになりました。

そんなある日、カーセンサーにエクステリアカラーが自分好みで、値段もかなり安くなっている認定中古車が出ているのを見つけ、問い合わせをしてみると、今月までであれば、金利が0.39%で購入できると言うではないですか!!

これなら、貯金して買っても一緒だと思い、思い切ってディーラーさんに行ってみることにしました。

ジャガーXEを実際に目で見るのは二度目でしたが、写真で見るより何倍もかっこよく、これはヤバいなと思いました。でも、これまでの人生で買った買い物の何十倍もの買い物。さすがに、その場の勢いでは決めきれず、一回お断りをしました。

ところが、ディーラーさんから再度オファーを受けて、三回目のご対面をした時に、「俺はもうこいつを買うな」と、自然と心は決まりました。2016年8月にジャガーXEを購入することにしました。

ジャガーXE

購入したのは、2015年式の2リッターのガソリンモデルで、ジャガーXE 20t プレステージです。1年落ちの認定中古車で、エクステリアカラーはアンモナイトグレーという明るめのグレーでした。

エクステリアデザイン、カラー、イメージ通りに走っていく感じ、その全てが合致して、購入することにしました。これが私の”最初の”ジャガーXEとの出会いですw

 

時は経て、2018年。ジャガーXEの日々はとても満足にいくもので、何一つ不満はありませんでした。でも!どうしても気になる動画が。まずはこの動画をご覧ください。一番の見せ場からスタートするように設定してります。

どうですかこのエンジンサウンド!!これぞまさに、”羊を被ったジャガー”ではないでしょうか。この動画との出会いがなければ、もう少しおっとりとしたカーライフを過ごしていたように思えるのですがw 2リッターモデルは、エクステリアもカラーもホイールも全てが気に入っていたのですが、この車にどうしてもこのサウンドとこの走りを追加で手に入れたくて…

ジャガーXE

2018年の年末、2年半乗った2リッターのジャガーXE 20t プレステージ(左の車)から、3リッターのジャガーXE S(右の車)に乗り換えることになりましたw

2代目のジャガーXEは、エクステリアカラーがストームグレーと呼ばれるカラーで、アンモナイトグレーと比較すると2段階濃いグレーです。ちなみに、エクステリアカラー以外、全て同じのデザインでホイールもウィンドウサラウンド(窓枠)も全く同じになるように、パーツを取り寄せて頂いて、仕上げて頂きました。

というわけで、前置きが長くなりましたが、2016年夏~2018年末まで2リッターモデルのジャガーXE、2018年末~現在に至るまで、合計5年、5万km走破したジャガーXEのオーナーとして、一緒に走ってきた経験をもとに、少しでも参考になるレビューを書いていきたいと思います!

 

ジャガーXEのエクステリア

エクステリアに関しては、写真をご覧になって頂くのが一番だと思います。

ジャガーXE ローリングショット

正面の印象は、少しのっぺりしている感じでしょうか。私も最初に見た時は、そこまで印象が強く残らなかったのです。1回目見た時は、「なんとなくカッコいいかな」という感じ、2回目見た時は、「やっぱカッコいいな!」、3回目見た時には、ハンコを押してました。そして、4年半経過した今日も飽きることなくエンジョイしています。

テレビ神奈川で放送中の「クルマでいこう!」で、モータージャーナリストの岡崎氏がジャガーXEをこう表現していらっしゃいます。「噛めば噛むほど味が出るデザイン&走り」本当にこれ以上的を得た表現はないのではないかなと思います。デザインは派手さがないので、少し物足りなさを感じる人もいらっしゃるかもしれないのですが、だからこそ長期で乗っても飽きがこないのだと思います。

ジャガーXE

ジャガーXEには、ホイールのオプションが相当数用意されているので、それによっても印象は変わると思いますが、一言で表現をすると、「ラグジュアリースポーツサルーン」という感じではないでしょうか。サルーンとはブリティッシュでセダンを意味する言葉だそうです。

Sモデルでは、サイドスカートやフロントのデザインがより一層スポーティーになりますが、ウィンドウサラウンドをクロムにしていることで、ラグジュアリーな雰囲気も維持できているのではないかと個人的には思っています。

ジャガーXEのラグジュアリーな雰囲気を存分に表現をしてくださった動画を撮影して頂きました。

丸の内仲通りがイルミネーションで彩られる中、きらびやかな雰囲気とジャガーXEのエクステリアはすごくマッチすると思います。特にストームグレーは、後程詳しく述べますが、周りの光をとてもよく反射するため、イルミネーションがキレイに反射して、色々な表情をしてくれます。

ジャガーXE

夜景で私が最も大切にしているのが、ウィンドウサラウンドとホイールです。これがともにシルバーでキラリと光る仕様になっているので、夜にとてもよく映えます。

 

続いて、サイドビューについてです。これが結構見る角度によって大きく変わるのでこれまたユニークだと思います。

ジャガーXE

一番スポーティーな角度は、本当にやや後ろから少し高めのアングルから見るとかなりいかつく、走る気マンマンという感じの雰囲気になります。サイドスカート加え、ホイールも少しいかついデザインなので、横から見ると、いかついね~と言われたりします。

ジャガーXE

これを真横から少し引いて見ると、かなり4シリーズグランクーペやA5スポーツバックに近いフォルムをしていることがうかがえるかと思います。フロントノーズが相対的に長く、ショートデッキで、このデザインのおかげで、50:50の前後配分を達成しています。

 

続いて、リアデザインです。

ジャガーXE オーナー歴5年/5万kmの徹底レビュー

リアは断然夜の方が素敵ですね! 引き締まったお尻に、Jカーブのテールランプはかなり独特の雰囲気ですし、街中で見るときに、Jカーブのブレーキランプががついていると一発でジャガーとわかりますw

 

最後にエクステリアカラーについて少し触れたいと思います。私が選択したのは、ストームグレー(現在はカルパチアングレー)というオプションカラーです。通常は2層による塗装なのですが、ストームグレーは3層の塗装になっており、光の当たり方で、色々な表情を見せてくれます。ある海外のオーナーさんが、下記のように表現をしておられます。

「It’s darker than the Ammonite and more reflective. The shade varies depending on the way the light hits it as it draws in color from its surroundings. It really is a cool color. (アンモナイトグレーよりも暗く、より反射する。周りの色をより引き寄せるため、光の当たり方によって印影が変化する。とってもクールなカラーだ)」

これは、言葉よりも実際の写真をご覧になって頂くのが一番だと思います。

黒、紫、シルバー、グレー、ゴールド、茶色…本当に光の当たり方で様々な姿を見せてくれるのがこのエクステリアカラーの特長です。ジャガーやランドローバーでお車をお探しの方は、ぜひご検討されてみてください。

 

ジャガーは動物なので、Audiのように直線×無機を極めぬいたデザインではなく、曲線を多用し、少し有機的なデザインの方がマッチしていると思います。だから個人的には、2020年にマイナーチェンジされた、ジャガーXEよりも曲線のデザインを多用している、2019年よりも前の方が好きだったりします。この型式の違いはまた後程詳しく触れたいと思います。

デザインはとにかく色々な角度での写真や動画をご覧になって頂くのが一番いいと思いますので、ぜひぜひこのサイトで色々ご覧になって頂ければと存じます。

 

ジャガーXEのインテリア

インテリアに関しては、ちょっとちゃんと写真を撮影しないといけないですねw 特にSに乗り換えてからちゃんと車内を撮影したことがなかったかもしれないです。後日アップデートしますが、今のところの写真をベースに解説していきたいと思います。

ジャガーXE オーナー歴5年/5万kmの徹底レビュー

インテリアの雰囲気全般で言えば、そこそこ高級感はあるのではないかと思います。Sだからというのがありますが、ステアリングにSバッジもついていますし、ダッシュボードも革張りになります。シートは、周辺をレザー&座面をスエードであつらえてあるので、非常に座り心地が良く、高級感もある仕上げになっております。

個人的にこれはいいなと思うのが、ヘッドライニング(車内の天井)ですね。これがSモデルは黒で統一されているので、車内が非常に引き締まって見えます。

ジャガーXE オーナー歴5年/5万kmの徹底レビュー

そして、大きな特徴がシフトレバーですね。これも2020年のマイナーチェンジ以降廃止になってしまいましたが、ジャガーと言えばダイヤル式のシフトレバーではないでしょうか。これめちゃくちゃ使いやすいです!!

正直、これに慣れてしまうと、普通のBMWとかのシフトレバーが少し煩わしくなってしまいます。かなり人間の感覚に合致した回し心地なので、慣れると手元を見ることはほぼありません。これを考え出したデザイナーの方は、本当に素晴らしいと思います!これは後世にまで残ってほしかったです。

ちなみに、シフトアップは、手元のパドルシフトで操作をしますので、シフトレバーに触れる必要はありません。運転中に使用する場面があるとすると、Dの横にあるSモードにするときだけです。いわゆるスポーツモードでかなり回転数を高い状態でキープします。ダイヤル部分を少し押し込みもう一段右に回すとスポーツモードになります。誤っていきなりスポーツモードに入ることはありません。この辺りは、走行性能などにもう少し詳しく書いていこうと思います。

 

続いて、インフォテイメント関係です。これは絶望的ですw まずなにより、カーナビの頭が悪すぎます。一番ひどかったときは、いきなり今まで案内していたルートと真反対のルートを案内しはじめたりします。Google Mapもゼンリンと仲たがいをして以降かなりひどいので、今は信頼できるナビはあまりない感じです;; でも、輸入車で高評価のナビってどのメーカーなんですかね?アルファロメオは既に、スマホと連動してGoogle Mapをベースにしていますし、マセラティはパナソニックのナビが純正になっていたりするので、各社インフォテイメントのアウトソースは進むのかもしれないですね。

逆に優秀だと感じるのがバックカメラです。かなり広角ですし、夜なんかは正直肉眼で見るよりもはるかによく見えます。インフォテイメントも海外版では相当に進んでいるような広告も見かけるので、純粋にジャガーにおける日本市場の優先度が低いというのが背景のような気はします。

もう一つ誇るべきものがあるとすれば、Meridianのサラウンドサウンドシステムではないでしょうか。ジャガーもかなり力を入れて広告をしています。これはうだうだと私がへたくそな文章で説明するよりも実際に聞いて頂くのが一番かなと思います。

普段はエンジン音が聞きたくて、窓を開けながら運転するくらいなので、ほとんど使うことはないのですが、プレステージは、11スピーカー・380Wですが、Sになると17スピーカー、825Wにパワーアップされます!やはりジャガーXE Sの方がいい音がするように思えます。17個のスピーカーがあるかと思うと驚きですよねw

 

続いて、気になっている方も多いのでないかと思う、後部座席についてです。

ジャガーXEのインテリア

うちは娘が2人おりますので、後部座席はいずれもチャイルドシートが設置されています。私は比較的大柄な体形ですが、後部座席にチャイルドシートは普通に設置できます。一方で、正直、乗り下ろしは相応に大変です。特に、シートベルトを着けるのが結構大変で、駐車場に停めていると、隣の車にぶつけないように乗り降ろしとシートベルトの装着をしないといけないので、結構大変です。

ちなみに、次女が生まれる前までは妻が長女と後部座席に座っていましたが、乗り降りは、女性くらいまでならなんとかなりそうな感じでした。天井に関しては170cmを超えるとしんどいです。他の車にレンタカーで乗ると、妻が天井が高いと言うので、やはり相当しぼられている感じではあると思います。大人4人がゆったり乗れる車か?というと、それは残念ながら結構厳しいと思います。やはり、ドライバーズカーですし、子供がいる4人家族向けという感じではあると思います。

 

最後に、トランクの積載量です。どうしても車とゴルフは切ってもきれない関係ですよね。ゴルフバックがいくつ搭載できるかが一つの気になるポイントだと思いますので、実際にやってみたいと思います。

ジャガーXE トランク ゴルフバック

私が持っている9.5型のゴルフバックに、シューズケースを実際にトランクに入れてみたいと思います!

ジャガーXE オーナー歴5年/5万kmの徹底レビュー

なっっっとか入りますw イメージ46インチ以上の長尺ドライバーがあると入らないと思います。ちなみにゴルフバックを2つ積むのは相当厳しいと思って頂きたいです。2バック+2名であれば、トランクスルーを活用することになると思います。

ジャガーXE トランク ゴルフバック

トランクスルーを活用すれば、2バックは間違いなく入ると思います。3バックも工夫次第では行ける気はしますので、無理をすれば、3バック+3名がいけるかも!?という感じでしょうか。

ジャガーXE トランク ゴルフバック

ちなみに、見た目は相当にむごいですw まぁ~基本的に一人で優雅に出かけるか、女性をエスコートするなら、自分のバックは郵送しておく方がスマートかもしれないですねw

 

インテリアは、インフォテイメントは結構お粗末だったり、後部座席やトランク容量などに一定の制約がかかっているというデメリットはあると思いますが、全般的にはそこそこ高級感もあっていいと思います。実用性を取るか、デザイン性を取るかは一つ悩ましいところですね。

 

データで見るジャガーXEのボディサイズ

主観的なレビューばかりでは、客観性に欠けてしまうので、今回はデータに基づいて、Dセグメントの車達をボディーサイズという尺度で色々比較してみました。

まずは競合車種の選定ですが、いわゆるDセグメントと呼ばれる車を中心に、国産車、輸入車を選定。

  1. ジャガーXE
  2. BMW 320i
  3. BMW 420i グランクーペ
  4. ベンツ C200
  5. Audi A4 2.0
  6. Lexus IS 200t
  7. トヨタ 新型カムリ
  8. 日産 スカイライン

まずは、全長×全幅の散布図です。

ジャガーXE サイズ
(2017年9月時点)

これをご覧になって頂いたら一目瞭然、ジャガーXEがDセグメントの中でいかにワイドな車体をしているかというのがお分かり頂けるかと存じます。これは、2017年の夏時点で調査をしたものなので、直近で発表された、新型3シリーズや新型4シリーズはさらに大型化されております。また、アルファロメオのジュリアは、1865mmともう一段幅が広かったりします。車の大型化はとどまるところを知らない感じですね。

ダウンサイジングターボが普及し、小さいエンジンでも高馬力のモデルが増えたので、スタビリティを向上させていく必要があるんでしょうね。それでも、かなりワイドなボディであることは間違いないですし、都内の駐車場や路地等を考えるとこれくらいがちょうどいいような気がします。

続いて、車の全長×全高の散布図です。

ジャガーXE サイズ
(2017年9月時点)

BMWの4シリーズグランクーペは元々3シリーズクーペを別立てにして、4シリーズクーペとして2013年頃に発売を開始し、それの5ドアモデルが4シリーズグランクーペというモデル。3シリーズとは大きく異なり、まさにクーペライクな車です。そのため、全高も1400mmを切る高さになっています。

そのBMWの4シリーズグランクーペには劣るものの、車高もかなり抑えられているのがジャガーXEのモデルです。

新型4シリーズは全長が4775mmに大幅に延長されている一方で、全高は引き続き1395mmに抑えられており、これまたユニークな存在ですね。

 

これまでデータで比較してきました通り、かなりワイド&ローなボディーということがご理解頂けたかと思います。それに加えて、もう一つ頭に入れておいて頂いた方がいいことがあります。

ジャガーXE 車高

それは最低地上高の低さです。あまり意識してなかったのですが、特にSに乗り換えて以降、結構あごの下を擦ります。別に特別なところを走っているわけではなく、ロードサイド型の商業施設から道に出ようとするときに、少し高低差があるところで普通に出ようとすると擦りますw

2リッターモデルの時は一回もすらなかったので、足回りが少し固くなった分、数mmさらに下がっているのかもしれないです。カタログ値比較は下記のとおりで、どのモデルよりも低いです。少しだけ気を付ける必要がある感じです。

ジャガーXE110mm
BMW 320i140mm
BMW 420i グランクーペ130mm
ベンツ C200115mm
Audi A4 2.0120mm
Lexus IS 200t135mm
(2018年11月時点)

 

ジャガーXEの走り

これまでさんざん、スポーティーだと言う話をしてきましたが、実際走行フィーリングがどうなのかについて書いていきたいと思います。

その前に、ジャガーXEは2020年に初となるマイナーチェンジがされたという感じになっていますが、私は大間違いだと思います。以下にジャガーXEのエンジンの変遷を掲載しました。

2リッター(ターボ)3リッター(スーパーチャージャー)
2015年フォード製200/240馬力フォード製340馬力
2016年フォード製200/240馬力フォード製340馬力
2017年ジャガー製200/250馬力フォード製340馬力
2018年ジャガー製200/250/300馬力フォード製380馬力
2019年ジャガー製200/250/300馬力フォード製380馬力
2020年ジャガー製200/250/300馬力廃止

ジャガーXEの元のエンジンは、かつて傘下に入っていたフォード製のエンジンが搭載されていた時期がありました。かなりターボラグがあるものの、ターボのいい音がして、すごくいいエンジンでした。かなり不器用なんですが、頑張り屋さんという感じでしょうか。その後、2017年以降に関しては、ジャガーがゼロから開発した、インジニウムエンジンのガソリンモデルがローンチされ、以後はインジニウムエンジンが搭載され続けています。つまり、2015年、2016年と2017年以降では、エンジン自体が全く異なるので、マイナーチェンジどころの騒ぎではないのではないかと個人的には思っていますw

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3リッターモデルは、XEが発売される少し前に発売された、F-typeの最高峰モデルであるRに搭載されているV8(これもフォード由来)から、2気筒を切り落としてチューンされたV6(F-typeの3リッターモデルと同じエンジン)エンジンが搭載されています。このエンジンはかなりいいエンジンで、本当にのびやかに踏んだ分だけ加速をしていくという感じです。エンジン別に少しずつフィーリングを書いていきたいと思います。

ジャガーXE

まずは最初に購入したフォード製の200馬力モデルです。このエンジンは一言で言えば、先ほども少し書いた通り、不器用な頑張り屋さんという感じです。正直、低速のトルクは少なめです。ここがしっかりしている車から乗り換えると少しイラっとするかもしれません。でも、ターボがしっかりかかる中速~高速域では、その印象が一変して、ものすごく気持ちいい加速を見せます。交差点からの走りだしは少しもたつくので、タイミングを見計らって、少しずつエンジンを開いて行って、直線を向いた時に、ターボが効いて加速できるようにタイミングを見計らえるようになると楽しいです。あとは、普通に空いている高速に合流する際は、最高のエンジン音とともにあっという間に加速していきます。日本の高速道路だと気を付けないと、追い越し車線でも前の車にぶつかるくらいの勢いです。ちなみに、どうしても低速のトルクが物足りなければ、ダイナミックモードに切り替えると、低速に関してもトルクフルになります。このモードチェンジはかなり車の雰囲気を変えてくれます。よっぽどの車でないと交差点で置いて行かれることもなくなります。

ジャガーXE

続いて、現行モデルでも使用されている、2リッターのインジニウムエンジン(ジャガー製)のレビューです。こちらは、昔ながらのジャガーらしく、どちらかというと、大人しく乗る雰囲気の車というイメージです。低速のトルクはかなり太く、イメージとしては、オイルの上を走っているようなヌルヌルした加速をしてくれます。一方で、高速域の加速は、フォード製のエンジンと比較すると物足りなさがあります。本当に街乗り+紳士が大人しく乗る味付けという感じでしょうか。このあたりの印象は全く異なる感じです。

ジャガーXE ローリングショット

最後は3リッター340馬力のモデルです。このモデルはF-typeと同じエンジンを搭載しているだけあり、加速はそれなりに暴力的です。ライバルになりそうな車の0-100km/hを集めてみました。多くのモデルは公式にタイムを公表しておらず、ネットで集めたものなのでご参考と思ってください。ちなみに、IS350は一説では4.9秒というのもあったのですが、私が試乗した感じではそんなに速い印象がなかったので、諸説の中でイメージ感の5.5秒くらいとさせて頂きました。結局、0-100km/hタイムは、欧州仕様車の値だったりしているので、ご参考という感じだとは思います。

車種名0-100
Audi S5 Sportback4.7秒
Mercedes-Benz C434.7秒
Jaguar XE S5.0秒
BMW 440i GranCoupe5.0秒
Jaguar XE S 20175.1秒
Porsche Macan GTS5.2秒
Jaguar XF S5.3秒
BMW 640i GranCoupe5.4秒
Lexus IS350約5.5秒
Maserati Ghibli5.5秒
VW Arteon5.6秒
AlfaRomeo Giulia Veloce5.7秒
(2019年2月時点)

こうやってみると、Audi S5 SportbackとC43は少し抜きに出ているでしょうか。XE-Sや440iグランクーペが次点のポジションです。ただ、正直このくらいの差であれば、街中で並走してもほぼ差は出ないと思います。

これまで並走した中で圧倒的に加速で差があるなと感じたのは、フェラーリの458で、これは明確に差がありました。それ以外に、X6 M(0-100km/h:4.2秒)、718ボクスターのGTS( 0-100km/h:4.6秒 )とは並走しました。X6 Mは本当にじわじわ差がつく感じでしたが、確実にX6 Mのほうが速かったです。718ボクスターはマニュアル( 0-100km/h:4.6秒 ) かPDK(0-100km/h:4.1秒 ) かがわからなかったですが、正直普通に走っている状態からの直線の加速は完全に互角でした。前後交替して走りましたが、どちらも全く車間距離が変わらなかったので、本当に差がないように思えました。もちろん、車重は200kg以上軽いですし、トルクや馬力はほぼ変わらないので、停車時からよーいドンや峠などでは718のほうが全然速いとは思います。ただ、一つ言えることは、ジャガーXE Sも十分に速い車です。

ジャガーXE ローリングショット

スーパーチャージャーではあるのですが、ノーマルモードでかつ、回転数も低い状態からだと、ほんの少しタイムラグがあるように思えます。一方で、トルクバンドの回転域では、ものすごい勢いで加速していきます。ジャガーXE Sにはいくつかモードセレクトがあります。1つは、ダイナミックモードというモードで、「エンジン」、「ギア」、「ステアリング」、「サスペンション」が変化します。より高出力になり、ギアは引っ張り気味になり、ステアリングとサスペンションが固くなります。これ以外に、ダイヤルセレクトで変更できるスポーツモードというのもあります。こちらは、ダイナミックモード以上に、エンジンの回転数を高回転で維持します。最初からトルクバンドにあるくらい高回転を維持し、ATモードでもレブぎりぎりまで引っ張る感じになります。正直、スーパーチャージャーなので、回転数が高すぎるとストールするので、6,000回転くらいまでが気持ちいい感じです。

いずれにしろ、ファミリーカーの中では最高レベルの加速力を持ち、スーパーチャージャーのおかげで、リニアに加速してくるいいエンジンだと思います。そして冒頭でも申し上げた通り、ターボ車では味わえないエンジン音!!これが最大の魅力だと思います。

比較的甲高い音を奏でてくれるこのエンジン音は、ジャガーXE Sの中でも340馬力のみで、日本では185台しかありません。3リッターモデルは既に廃止になりましたし、380馬力は音がかなり劣化してしまったので、中古で2017年式までのモデルを探すしか方法がありません。それだけ貴重な車だと思います。

 

それ以外にもこの車で特筆すべき点が2点あります。1点目は直線の安定性です。空気抵抗(Cd値)が0.26と当時のDセグメントの中では、かなり低く設定されていました。加えて、Sモデルには、サイドスカートをはじめとするエアロパーツがつけらており、通常の2リッターモデルと比較して、さらに安定性が向上しています。

ジャガーXE ローリングショット

2点目はレーントレース性能・コーナリング性能です。例えば、峠道とかで、前方に車がおり、通常のペースで走行している際は、正直ほとんどフットブレーキを使うことなく、エンジンブレーキで少し速度調整をしてあげるだけで、綺麗にコーナリングを曲がっていきます。前の車などがちょっとはみ出して走行をしている中、すぐ後ろを走行しているので当然速度はほぼ同じなのに、スルスルっとコーナーを意のままに走っているときなどは、やっぱこの車すごいなと素直に感じてしまいました。これはジャガーがHPなどでも訴求をしている「トルクベクタリング バイブレーキング」というシステムで、内側の前輪と後輪にそれぞれブレーキをかけることで、スポーツカーのような優れた俊敏性を実現する機能が非常に効果的に機能しているのだと思われます。3リッターモデルになると、トルクも馬力もあるので、その加速性能と比較すると、もう一段のコーナリング性能が欲しい感じがしますが、コーナーに入る前に、ちょんとブレーキを踏んで、前に荷重を移してあげると、キレイに曲がっていきますので、私の腕の問題も多分に影響しているのだと思います。

いずれにしろ、加速性能・直線安定性・コーナリング性能いずれも、かなりハイレベルだと思います。そして、このモデルでは他に類を見ない、最高のエンジン音が最大の魅力だと思います!!

 

ジャガーXEの維持費(燃費・車検)

維持費の中で、最も影響を与える一つの要素が燃費だと思います。正直、燃費に関しては、他社対比結構劣後するところもあると思います。

ジャガーXE オーナー歴5年/5万kmの徹底レビュー

2リッターモデルの時の燃費は、8km/l程度、3リッターモデルは、5.5km/l程度が私の実燃費です。ジャガーは運転を5点満点で評価をしてくれます。一番左がアクセルの踏み方、真ん中が回転数の高さ、一番右がフットブレーキの踏み方です。私の運転はご覧の通り、かなりアクセルを踏み、回転数も高い運転をしがちなので、どうしても燃費があまりよくありません。また、2リッターモデルでは、燃費が相対的に悪い、フォード製のエンジン時代なので、今のインジニウムエンジンでは、10km/lは出るのではないかと思います。

そして、もう一つは、車検代です。私は2リッターモデルで一度車検をディーラーさんで通しています。その時の費用が下記の通り、合計で約55万円でした。

自賠責25,830
重量税32,800
車検代行手数料20,000
車検印紙代1,200
消費税等1,600
小計81,430
点検整備37,700
日常点検7,250
検査ライン測定16,500
非常信号灯1,000
リアブレーキパッド交換23,450
バッテリー交換57,700
タイヤ4本の交換261,800
ガラスコーディングメンテナンス25,000
消費税等34,432
小計464,832
合計546,262

55万円と聞くとぎょっとされるかもしれませんが、そのうちの半分の26万円がタイヤの交換費用です。

Sモデルはタイヤのすり減りがやはり早く、ミシュランのパイロットスポーツ4を履いていますが、リアは1万Km行かないくらいですり減ってしまいます。通常の2リッターモデルなどではこういうことはないと思いますが、車検と同時には替えないといけなくなるとは思います。

 

ジャガーXEの故障

このブログで、最も読まれているのが、故障に関する記事です。私もジャガーを購入するにあたっては、故障に関しては、すごく不安でしたが、結論から申し上げると、想像よりははるかに故障しないですし、しっかりとしたアフターフォロー体制をつけてあげれば、心配はないかなと思います。実際に私が体験した故障を順番にご紹介したいと思います。

1.ブレーキランプが点灯しない(ジャガーXE 20t 2015年モデル)

ジャガーXE 故障

これは、かなり初期のモデルで結構頻発した故障で、この写真のように、ブレーキランプが点灯しなくなるというものです。このブログでも相当数、同じ故障が発生したというお声を頂きました。当然、保証の範囲内ですし、アセンブリを交換してもらえば、それで解決しました。とは言え、ブレーキランプという性質上、よくない故障ですね。最近では、このブログでもこの故障は聞かなくなったので、だいぶ減っているのではないでしょうか。

 

2.突然エンジンがかからない(ジャガーXE S 2017年モデル)

ジャガーXE オーナー歴5年/5万kmの徹底レビュー

出かけようと思って、エンジンをかけようと思ったら、エンジンがかからず。ディーラーの担当者の方が飛んできてくださったのですが、バッテリーを外してもかからず、結局レッカー移動になりました。原因は、エンジンスターターのところの接触不良が原因だったようで、レッカー移動して、ディーラーに到着したら、その間の振動で接触するようになり、エンジンがかかったそうで、レッカー担当者含めて、驚いたとのこと。接触不良を起こしていたナット(?)を締めなおして、その日中に戻ってきました。

 

3.エンジンから大量の白煙が出るようになった(ジャガーXE S 2017年モデル)

これが最大の故障だと思います。エンジン始動時に異常な白煙を出し、異臭もしたので、ディーラーさんに動画を撮影して見せたら、そのまま入院。オイルの状態などを確認しもらっても異常が確認されず、どうやら冷却水の一部がエンジンに侵入したのではないかとのことでした。最終的には、メーカーのエンジニアとも相談して、エンジン交換になったとのことでした。

以下のような手順で状態を確認したものの、原因はわからず終いでした。

  1. 故障コードの読みとり
  2. スーパーチャージャーインタークーラーの漏れ点検
  3. プラグを外してシリンダー内の水蒸気の確認
  4. スパークプラグ交換
  5. エンジン アセンブリを補助装置を変更して交換
  6. ECU補正リセット

さすがにエンジン交換は驚きましたが、エンジンも国内に在庫があり、すぐ交換して頂きました。

 

上記の通り、4年半で故障で呼べるものは3回ですし、重症なものは1回。全て保証でカバーして頂きましたので、出費はありません。とはいえ、故障がゼロではないので、やはりアフターフォロー体制はあった方がいいと思うので、新車か認定中古車で購入するほうがいいかなとは思います。

あと、個人的に気になっているのは、ディーゼルでの故障を結構耳にすることが多いです。このブログでも何人かの方がおっしゃっていましたし、やはりゼロから開発したエンジンですので、故障も発生しやすいと思います。

 

ジャガーXE 丸の内仲通り

最後は故障の話にまで至りましたが、「噛めば噛むほど味が出るデザイン」、「Dセグメントでは最高のエンジンサウンド」、「同価格帯でも最高レベルの加速性能」を兼ね備えながら、家族4人が乗れる、まさに最強のDセグメントセダンと言えるのではないでしょうか。ラグジュアリースポーツの世界をより深くご覧になって頂ける方は、ぜひトップページから色々な記事をご覧になって頂ければと存じます。ジャガーXEに関する様々な記事だけではなく、BMW、マセラティ、ポルシェなどの試乗記や関東周辺のおすすめの宿など、色々なコンテンツをご用意しています。ぜひご覧になってください。