今日は昨日に引き続き、客観的なデータを集めて、加速性能を科学してみたいと思います。
加速性能と言っても、トルクもあれば、出力・馬力という概念もある。また、そのトルクが出る回転数域や車両重量など様々な要因によってくる。まずは一つ一つ見ていきたいと思う。
まずは、馬力と車両重量の関係です。
上図は、縦軸に馬力、横軸に車両重量をとったものですが、意外にLexus IS 200tが圧倒的高出力の車だということがわかりました。逆にBMWは3シリーズ、4シリーズともに馬力という観点では車両重量の割には大きくないことがうかがえます。肝心のジャガーXEに関しては、日本車以外のDセグメントの車と比較すれば、最大の出力を持っていることがうかがえます。
続いて、最大トルクと車両重量の関係です。
上図は、縦軸にトルク、横軸に車両重量をとったものですが、これまた日本車のLexus IS 200t や日産スカイライン 200gt-tの方が最大トルクが上でした。一方、ジャガーXE は、輸入車の中で、Audi A4と並ぶトルク量が出る車でした。
ただ、上記の2つの図は車両重量との散布図なので、それを考慮に入れた、トルクウェイトレシオとパワーウェイトレシオをそれぞれ算出してみました。
トルクウェイトレシオは車両重量÷最大トルクで求められ、ゼロからの加速や上り坂の際の加速力に影響を与え、パワーウェイトレシオは車両重量÷最大出力で求められ、回転数がある程度出たうえでの加速力を示していると理解しています。
上図は、縦軸にトルクウェイトレシオ、横軸にパワーウェイトレシオをとったものです。いずれの数値も低いほど加速力が高いということになるのですが、パワーウェイトレシオにおいては、圧倒的にLexus IS が強いことがわかります。
ただ、じゃ~Lexus ISは最も早く、BMWの3シリーズや4シリーズは最も遅いかというとそういうわけでもありません。
車両重量 (kg) | 馬力 (ps) | 回転数 (rpm) | トルク (kgf・n) | 回転数 (rpm) | |
ジャガーXE | 1,600 | 200 | 5,500 | 320 | 1,200-4,500 |
BMW 320i | 1,580 | 184 | 5,000 | 270 | 1,350-4,600 |
BMW 420i グランクーペ | 1,640 | 184 | 5,000 | 270 | 1,350-4,600 |
ベンツ C200 | 1,540 | 184 | 5,500 | 300 | 1,200-4,000 |
Audi A4 2.0 | 1,550 | 190 | 5,100 | 320 | 1,450-4,200 |
Lexus IS 200t | 1,630 | 245 | 5,800 | 350 | 1,650-4,400 |
日産 スカイライン 200gt-t | 1,680 | 211 | 5,500 | 350 | 1,250-3,500 |
上表を見て頂くとお分かりのとおり、Lexus ISが最大トルクを発生するには、1,650回転してないといけません。これはジャガーXE のインジニウムエンジン搭載前のフォード時代のエンジンを積んでいた、まさに私が所有しているモデルに近い形です。乗ったことがないので、推察が入りますが、おそらくは走りはじめは少しもたつきを感じる人もいるかもしれません。
また、日産スカイラインは3500回転を超えると最大トルクから落ちてしまうという点と、車両重量が重いという点から、少し0-100km/hの加速タイムは劣るみたいです。
逆に、ジャガーXE は、1200回転~4500回転もの間、最大トルクを発生できるからこそ、Lexus ISなどと比較しても0-100km/hのタイムが変わらないということなのだと思います。逆にBMWも見た目は低いですが、この回転数の領域が広いことで、相応の加速タイムを有しているのだと思います。
改めて見てみて、欧州車の中では、トルク・馬力という観点から抜群の性能を有しており、また回転数が低い領域から幅広い領域で最大トルクを生むという、ジャガーがゼロから開発したインジニウムエンジンのすごさと、もともとジャガーXE が持っていた車の運動性能が組み合わさった、新生ジャガーXE はさらなる高みに達したのではないかと思います。
こうやってまとめて書いてても、インジニウムエンジン搭載のジャガーXE Sが欲しい!!と心から思ってしまいました。
#INGENIUM: Più efficienza nei motori #Jaguar #LandRoverhttps://t.co/5bmM13c2jU pic.twitter.com/7dyehtH4Qc
— Fleetime (@fleetimenews) June 19, 2017
数値だけではないですが、こういう見方をしてみるのもおもしろいと思います。
ではでは
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